どうも如月です。
2020年もうるう年の如月が終焉を迎え、29日間の2月があっという間に過ぎ去りました・・・悲しい。
余談だけど本日3月2日って2月が31日まであれば2月31日なんだよね・・・泣
今後も永遠に2月に30日と31日が訪れることはないのでしょう・・・
そんな悲しく暗い雰囲気を、今回ご紹介するLEDライトで気分も夜道もぱあっと明るく行きましょう。
弥生第一弾は自動車用LEDのご紹介です。
※この記事では専門用語が数多く出てきます。
読んでて頭が痛くなったらブラウザバックを推奨します。
書いてる本人も頭が痛いです。
もくじ
LEDとは?
まず簡潔に自動車のライトの種類をご紹介します。
・ハロゲンライト
・HIDライト
・LEDライト
おおまかに現在存在するヘッドライトはこの3種類です。
以後記事内ではバルブというワードが出てきますが、ライトの本体のことを「バルブ」と呼称しますので覚えておいてください。(ヘッドライトバルブ)
ルームランプやブレーキランプ、ポジションランプ、ウインカーなども現在は
・通常の電球
・LED電球
に区別できます。
ではそのLEDとは何なのかと申しますと、
「Light Emitting Diode」の略です。
通称発光ダイオードと言われます。
従来主流であったハロゲンヘッドランプは、現代においては寿命が短く光度もあまり明るくないものです。
そのハロゲンの代替としてまず現れたのが
HID(High-Intensity Discharge lamp)です。
単にHID、ディスチャージ、キセノンランプなどと呼ばれるもの。
HIDはハロゲンとは違い、「フィラメント」と呼ばれる発光体を発光させるのではなく、充填した「ガスを放電」させて光源を得ます。
ハロゲンランプのフィラメント。
この渦状の針金のようなものが発光して光源となります。
白電球等と原理は全く同じです。
一方のHIDバルブは見ての通りフィラメントが存在しません。
バルブの両端に電極が繋いであり、その電極から放出される電子が対極へ引かれる途中で光を放出する現象を利用したものがHIDです。
※小難しく考えずに要はバルブの中のガスが放電して光ると思ってください。
フィラメントという焼き切れる物理的なパーツが存在しない為、長寿命かつ劇的な明るさを手に入れることに成功しています。
しかしHIDはその欠点として完全点灯までに時間を要するというスロースタートな面があります。
代表的なものとしては体育館の電気。
これがHIDです。
覚えていらっしゃる方もいると思いますが、スイッチを入れても最初は暗く、準備運動等で気が付いたら明るくなっているというシロモノでしたよね。
体育館ほど天井が高いと、いざ電球が切れてしまったら交換するのに一苦労。
最近はなんとライト自体がリモコンで昇降できるらしいですが、できない場合は工事現場のように足場を組んで交換しなければなりません。
ライトが昇降している図。
<画像元:体育館の電灯交換>
足場を組んで高所の電球を交換している図。
<画像元:体育館の電球交換 | 株式会社室内高所>
そしてなまじ広い空間故に、通常の白電球程度では明るさも足りない。
HIDはそんな体育館などの広い空間を照らすのにもってこいでした。
ただし、瞬間性を必要とされないことから完全発光には4~8分程かかります。
自動車用があそこまで点灯に時間がかかると使い物にならないため改良されてはいますが、それでも完全に点灯するには最大で約20秒程度かかるためパッシング等の一瞬の点灯には光度が足りず使い物になりません。
LEDはそんなHIDの欠点を払拭しうる新しいランプとして昨今話題になっています。
こちらがLEDランプ。
黄色い発光ダイオードがついており、これが発光します。
かつてのLEDは自動車用ヘッドライトに事足りるだけの光度が出ませんでした。
しかし昨今では改良され、いずれはHIDをも凌ぐ自動車用ライトのスタンダードになるであろうとさえ言われています。
どんな違いがあるのか
ハロゲンランプ
メリット
・電球が安価で交換が簡単
・色もある程度選ぶことが出来る
・冬の時期、ライトに着雪しても熱で雪が解ける
デメリット
・HID,LEDと比較して光度が低く暗い
・寿命が短く交換頻度が多い
・発熱する為無駄なエネルギーロスがある
・消費電力が多くバッテリー消耗が激しい
・ケルビン数※1を上げると更なる光度不足に陥る
0に近いほど色温度が高くなり、数が大きくなるほど色温度が低くなる。
<画像元:色温度(ケルビン数)とライトの選び方 【通販モノタロウ】>
ファッション性を求めるとケルビン数の高い青系統の色を選びたくなりますが、ケルビン数が上がるほど、光度が足りなくなり見えにくくなるというトレードオフが生じます。
ちなみに保安適合するケルビン数には決まりがあるため、「自分は深い青色が好きだから」といって12,000K等のべらぼうに高いケルビン数のヘッドライトを装着していると整備不良で取り締まりの対象になりますのでご注意ください。
さてハロゲンランプはなんといってもその安さと今まで自動車産業を支えてきた経験と実績があります。
実際、未だ現役で第一線で使われていることを鑑みてもハロゲンランプは確かに昨今ではファッション性や寿命等で圧され気味ではありますが、
「合う型式を買ってくれば必ず装着できる」
「球が切れてもショップ、ディーラー、ガソリンスタンド等、出先でもメンテナンス先が豊富」
などのメリットがあります。
そして先ほど述べた通りHIDはその特性からハイビームに向いておらず、未だHID装備車でもハイビームはハロゲンということがあります。
営業車や安価なグレードもコストダウンの為ハロゲンランプを採用する傾向があります。
ハロゲンランプは安価で実績と信頼が何よりの武器ですね。
あと一応色温度もハロゲンと言えば黄色っぽいこれ↓
<ハロゲンランプ時代の如月FD>
・・・だけではなく、いくらかは選べるようになっています。
YZF-R1のライト交換時の画像。
両目ともハロゲンですが、右はケルビン数が高いものを使用。
左が純正です。
HIDランプ
メリット
・現在自動車用ライトで一番の光度を誇る
・色もある程度選べ、ファッション性に長ける
・ハロゲンに比べ長寿命かつ消費エネルギーも小さい(点灯時に一番エネルギーを使う以外は点灯中は省電力)
デメリット
・完全な光度が得られるまでにMAX20秒ほど時間がかかる
・寿命を迎えた場合の交換コストが高い
・自分で交換するのは難しい場合がある
・バルブの他別途「バラスト」を装備しなくてはならない
最高の光度を誇り、一度HIDのクルマで夜道を走るとハロゲンでは暗すぎて無理とまで言えるほどの明るさを誇るHID。
歴史もそんなに浅くはなく、世界で最初にHIDランプが実用化されたのは1991年に発売されたBMW・7シリーズだそうです。30年近くなりますね。
そんなHIDですがハロゲンの項目で書いた通り、瞬間点灯は構造上できないのでハイビーム(特にパッシング)で使えない為、利用するには車体側に工夫を施す(遮光版等で偏光する等)か、ハロゲンやLEDを別途用意する必要がある点には要注意です。
また放電を安定させるための「バラスト」という機材をバルブとは別に組み付けなければならない為ある程度の知識(+車両側の余裕)が無ければ装着が出来ません。
そして寿命を迎えた場合、ハロゲンのように出先での応急交換はほぼ出来ずバラスト含めたユニットごと交換等の対応が必要になる為非常時に弱いというデメリットがあります。
LEDランプ
メリット
・ハロゲンランプよりも明るく、点灯直後に最大光度が得られる
・色もHID以上に柔軟に選択できる為ファッション性に長ける
・消費電力が非常に低くHIDが比較にならないほどの超長寿命を実現。
・本体も小型軽量なためHIDよりも導入しやすい
・ルームランプ等もLEDに換装することで見た目も寿命もGOOD
デメリット
・現状ではまだHIDほどの光度が得られないため、最大光度という観点ではHIDに一歩劣る。
・消費電圧が異なる為、一部のランプのみLEDに変えてしまうとハイフラッシャー(ウインカーの高速点滅)等が発生する
・ハロゲンに比べれば導入コストが高い。ものによってはHIDと変わらない。
・着雪時にLEDは発熱しない為どんどんヘッドライトが雪や氷に覆われてしまう。
LEDはなんと言ってもその寿命が最大の特徴です。
・ハロゲンランプ:約1,000時間(約3年程)
・HIDランプ:約2,000時間(約5年程)
・LEDランプ:約10,000時間(約15年程)
とされています。
LEDを一度装備すれば車の耐用年数を鑑みると、ほとんどの場合その車の電球交換が必要ないことになります。
そして色温度も自在に選ぶことが出来ます。
(保安適合内で選んで下さいね)
光度も寿命もハロゲンに比べて圧倒的なLEDは、最大光度こそHIDに劣れどそれを凌ぐメリットの多さで近年台頭を表しているというわけなんです。
しかしそんなLEDもデメリットがあります。
ヘッドライトだけならいいのですが、ウインカーの球やサイドマーカー等を一部だけLEDに変えてしまうと、白電球と電圧に差異が出るためにうまく電気が制御できずウインカーが高速点滅してしまうことがあります。(ハイフラ)
これを防ぐ為にはウインカーリレー等の加工が必要になるため、電球だけポン付けというわけにいかないことがあります。
また球本体が白電球に対して高額なため導入にコストがかかります。室内灯を交換するだけでも良いものでは電球1つ3,000円以上するので、ミニバン等室内灯が多いクルマだと全部で2~3万円なんてことにも。
そしてヘッドライト用LEDは光度確保の為HID同様にバラストが付いているので取り付けがそんなに簡単というわけでもありませんでの注意が必要です。
LEDヘッドライトとHIDヘッドライトの比較。
見た目ではあまり違いが分かりにくいですが、
LEDは色温度が点灯直後から一定なのに対し、HIDは点灯直後は画像のFD3SのLEDのように青白い色が出ますがしばらくすると画像のレガシィのように白に近い色になります。
オススメのLEDヘッドライト
基本的には国産のLEDをオススメします。もしくは名の通った企業のもの。
(LEDだけに言えることじゃないですが。。。)
ネットで探すと格安の4桁円で買えるLEDがたくさんヒットしますが、どれも外国製、それも日本国外のアジア製です。
これらはLEDそのものが安価ゆえに作りが雑、個体差が激しいなどの特徴があり、いきなり点滅したり球切れが起きるなんてことがザラに発生します。
つまり安い代わりに10個単位でストックを持っていれば点滅とかしても交換対応すればいいよというなんともまあ・・・な商品なんですね。
知らないメーカーの商品はLEDに限らず避けた方が無難です。
特にヘッドライトは保安部品にして夜道の道しるべです。
走行中に切れたりしたら前が見えません。
対向車に自車の存在を知らせることもできず非常に危険ですから、そういう意味でも変なメーカーのは買わないようにしましょう。
①PHILIPS(フィリップス)ヘッドライト
数多くの電器機器を手掛けるPHILIPS社のLEDヘッドライトです。同社は特に医療機器(CT、MRI、AED等)において高い技術を持っています。
人体の安全にかかわる医療機器を手掛けるメーカーが適当な出来の商品を販売したりはしないという信頼が持てることからも同社の製品はオススメです。
医療機器以外にも様々な電器機器を手掛けており、電動ハブラシや音響機器、そして自動車用照明など多岐にわたります。
<公式サイト:PHILIPS>
②IPF LEDヘッドライト
IPF社は70年の歴史を持つ自動車のアクセサリーパーツメーカーのひとつで、ヘッドライトなどの自動車用ランプを多く手がけていることからノウハウや技術に定評があります。
日本の企業という点も安心できる点でしょう。
<公式サイト:IPF>
③スフィアライト ライジング2 LED
株式会社SPREADのSPHERELIGHT事業部が提供している国産LEDライトです。
こちらもライト専門の事業部を立ち上げている程ですので安心感があります。
LED以外にも様々な自動車用ランプを手掛けていますよ。
<公式サイト:スフィアライト>
なぜこのメーカーを選んだのかと言うとリトラクタブルライトへの取り付けレビューにこの商品以外にまともな解説があるものが無かったからです・・・(小声
④PIAA LEDヘッドライト
大手自動車部品メーカーです。 知らない人は自動車に興味が無い人くらいなものでしょう。ライトだけでなく自動車部品であればワイパーからホイール、オイルフィルター等々も手掛けていますね。
この会社のLEDならまず外さない!と自信をもってオススメできます。
上記でご紹介したモデルは基本的にすべて車検対応です。
ケルビン数も車検対応の6000K程度ですので安心して交換できます。
そして信頼のおけるメーカーが販売するものですから、
一度交換すれば球切れとは無縁となるでしょう。
LED交換後の注意
さてせっかく交換したLEDでも光軸調整をしないままで走るのは危険です。
正しい照射方向でないと見えてほしいところが照らされず見えなかったり、常時ハイビームのような高い光軸になっている場合があり対向車のドライバーの眩惑現象を誘発してしまいます。
DIYで取り付けた後は必ずテスター屋、クルマショップ等で光軸を見てもらうようにしてください。
自分でやる方法も0ではないですが、素人判断でやるよりは遙かに安全です。
最後に
LED派のような書き方をしましたが、如月はHIDも嫌いではありません。
むしろ光度はまだHIDの方が上ですから、FD(LED装着)とフィット(純正HID)、運転していて安心なのはフィットですのでHID派と言えます。(笑)
友人のかつての愛車S15にはHIDが入っていましたし、FDにもつけられたらHIDつけたかったところでした。
FDがなぜLEDかというと今では絶版のリトラクタブルライト故にハイビームが別灯火点灯式ではなく切り替え式なので、HIDだとパッシングしたくてもできず困るからです・・・
LEDも変わらないくらい明るい(色温度が低いから暗く見えるだけ)ので問題ないんですけどね。
という訳でいつものように前置きが長くなりましたがLEDのご紹介でした。
(意味を知ってもらわないと意味の解らない記事になってしまうので致し方なく・・・)
少しでも車乗りの方々の夜に明るい光が灯りますように。
弥生を迎えた如月がお送りしました。
・・・次回はいい加減車以外の記事を書きたい。(願望)